ストーリー・マンガに熱中する人は多い。しかし、一枚ものマンガには、とんと関心を向けない日本人のなんと多いことか。マンガといえば外国ではむしろこちらの方が主流のようなのだが、ジョークやユーモア、エスプリという機転の利く話術にたける欧米人にとっては、一目で全貌が分かるマンガによる諧謔表現は自然なのかもしれない。だが日本人にはなじみが薄く、少し分かりにくいようである。
しかし、そういうマンガが外国の主流なら、そこには彼らの意識や感じ方、考え方や環境などが分かるのであり、それは彼らにとっての面白さとは何なのか、ということを体験として知ることができるということである。マンガ好きのほか英語など外国語の学びにも大いに役立つものであろうと思われる。
例えば、ここに日本女性にも人気のあるレイモン・ペイネのマンガがある。
傘をさした恋人たちが、ハープの中にいてぴったりと密着しているようである。そんなことはあり得ない話で、いったいなにが面白いのかと思われるのだが、周囲には雨は降っていないのに、なんとかして二人は愛を成就させたくて、ハープの弦を雨に見立てたのだとすれば合点がいく。なるほど、そうみれば確かに細かいところまで見えてくる。ペイネは恋人たちの愛の情熱を、やや諧謔的に応援しているかのようである。他にあなたには何が見えるだろうか。
今回、草森書庫、任梟盧の中から、雑誌に掲載されていた一枚ものマンガを中心に、草森紳一のマンガ考をバイブルとして、プロジェクターで拡大して皆で解読してみようと鑑賞会を行うことになりました。参加してみたい方は、下記までご連絡ください。気楽に遊び心でよい学びができればいいなと思います。
記
日 時:令和4年11月18日(金)15時~17時
場 所:茶戸庵 電話:0155-37-5092
参加費: 1,000円(飲物等込み)
主 催:草森紳一書庫「任梟盧」保存会(仮称) 連絡先:080-5725-2960(佐藤) メール:sankichi001@outlook.jp
参加可能人数:10名程度(御連絡順で締め切りとなります)
地 図: 茶戸庵(路上駐車可能路線)