さて、ようやく、任梟盧の本たちの紹介をしていきたいのだが、どう始めようか。
作成している目録通りに、一冊づつ紹介すれば、3万冊といわれる本の群、果てしもない。ただ目録を並べるだけでは、資料としての意味はあっても、つまらない。目録が完成すれば一目瞭然となるものだ。
では、書棚のブロック単位ではどうだろう。そのブロックには、草森さんの意図や感性が表れているはずである。だから、そんな編集世界を読み解きながら、膨大な草森ワールドに招待できたら、すばらしいことである。そして、こういう本や資料の山をみると思うのだが、一冊の本を書くのに2000冊の本が増えたと草森さんがどこかに書いているように、これらの資料が、どう生かされたのか、そのまま、知識として、資料としてのみ使われたのか、それとも、それらの資料から、思いもかけない意味や「点と線」のごとき発見、あるいは隠れた真実を覗こうとしたのだろうか。
- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1971/05/25
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 96回
- この商品を含むブログ (181件) を見る
- 作者: 李賀,黒川洋一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1993/12/16
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
- 作者: 大橋昭夫
- 出版社/メーカー: 新人物往来社
- 発売日: 1990/07
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
結局、私の目的は、草森さんの読書冒険の跡をたどりながら、往時の草森さんに遊んでもらうということである。そういう楽しい冒険性が出れば、よいのではないか。もちろん、どれだけ楽しく遊んでくれるかは、こちらの器量次第。きっと私は、30年前に途切れてしまった、話の続きをしていたいのだ。たぶん延々と…。草森さんも、きっと付き合ってくれるはずと信じる(そうですよね、草森さん)。ということで、大上段から巨闕をふるう、なんていう芸当はできるはずもない、ただ右往左往に徘徊しながら、できるだけ資料としての価値は踏まえつつも、少しラフで、いい加減なところで、遊ばせていただくということにしたい。