2011-01-01から1年間の記事一覧
昨年から白隠に興味を抱いているせいもあり、いろいろ調べていたのだが、そのうちにこの本にめぐり合った。また石川九楊さんの「近代書史」にいきなり書とは何かを教わってしまって以来、書に関心を抱き続けている。書について書かれたこの分厚い書物は、197…
なかなか、草森記念資料室までいけないので、最近読んだ草森著作品を紹介していきたい。硬軟両党なんにでも切り込める草森さんの、軟の方である。1990年の初版である。そのころ、一度読んでいたのだが、今回薦められて再読してみた。 「女のセリフ捕物帖…
いよいよ、本題というところですが、ちょっと、方向変換をします。一般公開されている資料室を先に見ていった方がよいのでは、と思いました。草森紳一記念資料室は、大谷短期大学で週2日(火・金)の午後だけですが、一般開放されています。お茶も自由に飲…
さて、ようやく、任梟盧の本たちの紹介をしていきたいのだが、どう始めようか。 作成している目録通りに、一冊づつ紹介すれば、3万冊といわれる本の群、果てしもない。ただ目録を並べるだけでは、資料としての意味はあっても、つまらない。目録が完成すれば…
8月13日 約束の10時に任梟盧に行くと、英二さんと高山さんが何やら玄関でもめている。どうしたのかな、と行ってみると、鍵が開かないという。ギザギザを合わせる普通のカギではなく、平板に窪みのある珍しい鍵なのだが、いくら回しても開こうとしない。…
6月2日 高山さんに案内していただき、初めて任梟盧を見る。やはり、生前に一度ここの草森さんを訪ねるべきだったな、と思う。白い外壁は、三か所ほど壊れかけており、南面は頭の入りそうな穴が開き、そこから蔦の芽が顔を出している。高山さんたちが、ビニ…
任梟盧(にんきょうろ)とは、北海道十勝の生んだ知の巨人、自称「もの書き」こと草森紳一さん(以後、敬称は敬意を込めて気分によって省略します。)の3万冊ともいわれる比較的前半生に蒐集された書物を収蔵した書庫で、唐代の詩人李賀の一節から自ら命名…