昨年から白隠に興味を抱いているせいもあり、いろいろ調べていたのだが、そのうちにこの本にめぐり合った。また石川九楊さんの「近代書史」にいきなり書とは何かを教わってしまって以来、書に関心を抱き続けている。
書について書かれたこの分厚い書物は、1977年から1990年までの間に、「墨」等の専門雑誌に書いたものを、17編ほど集めたものである。
私にとっては、だから絶好のタイミングで手に入れたものだ。跋文に、「『北狐の足跡』の黙示による、H・R・ギーガー的書論」と題して石川九楊さんが書いている。これも書好きにはたまらない。
H・R・ギーガーは、映画「エイリアン」のデザインをした、スイス人アーティストである。今の私には、この書論との関係がよくわからないが、わからなくても書論はわかりやすい。
書の宇宙をめぐる壮大なこの本は、結局「こころ」と「いのち」と「こころざし」をその書から読み込もうとしているのだ。
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