なかなか、草森記念資料室までいけないので、最近読んだ草森著作品を紹介していきたい。硬軟両党なんにでも切り込める草森さんの、軟の方である。1990年の初版である。そのころ、一度読んでいたのだが、今回薦められて再読してみた。
「女のセリフ捕物帖」も読み直したのだが、忘れていたことがやはり多々あった。女は男のように、観念的に考えられないので、ほとんどは子宮から考えるのだという。女学生でもそうで、それぞれの子宮で考えるので、おもしろいのだという。
観察の鋭さと、セリフやしぐさから、その深い意味を読み込んでいく方法と力はさすがといわざるを得ない。女性の首筋にでる胸鎖乳突筋の話などは、男なら一度は読んでおいて損はない。女のしぐさは無意識の媚態なのだ。だからその刹那を見逃す手はない。見逃さないのは男の誠を尽くすことでもある。女のしぐさにエロティシズムを感じるのは一種の視姦でもあるが、生命力の根源でもある。
女という最も身近で最も遠い存在に、男はいずれ、その無意識の罠を知ることになる。
- 作者: 草森紳一
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