久しぶりの投稿です。
実は冒険子は、昨年からは少し本格的に任梟盧と関わるようになりました。
高齢者となり、時間ができたということもあるのですが、蔵書の傷みが激しく、なんとかこれ以上の劣化をくい止めたいというご遺族の要望を、冒険子も同じ思いですので受けることに致しました。今度は本や建物の管理や清掃などの仕事にもなりますが、半分は今まで通り自由に草の森冒険で遊ばさせていただこうと思っています。
紳一さんの弟、英二さんも3年ほど前に亡くなり、母屋も無人となり、任梟盧は蜘蛛や虫たちの住処になりつつあったのです。
ところで、今日はとても面白い偶然がありました。
任梟盧蔵書のリストアップをしていたら、ある文庫本の巻末に「一橋大学商学部 村松賢一」というサインがありました。同ページに100と鉛筆で書いてあります。きっとどこかの古書店で100円で購入したものと思われます。この本は「ミル自伝」というジョン・スチュアート・ミルという経済学者の自伝です。
40年近く前、冒険子は古い離農家跡に5年ほど住んでいたことがあるのですが、その時NHKからあるプロジェクトの取材を受けたことがあります。その時の取材記者が、村松賢一さんという方でした。
丁寧にも翌年に賀状礼状をいただいたので名前を憶えていたのです。しかし同姓同名の別人かとも思い、調べてみましたら、帯広局の勤務をされ、出身は一橋大学ということですから、間違いはありません。彼が学生時代に読んだ本のようです。
それが草森さんを介して任梟盧に移り、そして今冒険子に出会っている。実に奇遇なことです。彼は、退職後お茶の水大学の教授になられたとか。ソフトで知性的な方でしたので、なるほどと思いました。村松さん、もう80歳くらいになられるかと思いますが、お元気でおられることを祈ります。
このように、たかが文庫本一冊にも冒険の歴史があるということを実感した次第でした。最近、故草森さんの周りにこういったシンクロニシティがあちこちで起こっているようです。まさに草森マジックですね。合掌。