草の森大冒険

ナンセンスの大家、草森紳一の書庫「任梟盧」を冒険します。

任梟盧


任梟盧(にんきょうろ)とは、北海道十勝の生んだ知の巨人、自称「もの書き」こと草森紳一さん(以後、敬称は敬意を込めて気分によって省略します。)の3万冊ともいわれる比較的前半生に蒐集された書物を収蔵した書庫で、唐代の詩人李賀の一節から自ら命名したものです。サイコロ任せ、つまり「勝手にしやがれ」というような意味だそうです。画像は、井上洋介さんという画家が、桜の木に彫ったもので、任梟盧の玄関にかけてあります。

草森さんは2008年に亡くなられましたが、この書庫は生前のままの状態で残っています。10mほどの高さの白い塔状の建物で、壁面の喪失を惜しむかのように小さな窓がいくつかありますが、壁面はほとんど書棚になっていて、螺旋状の階段と移動梯子が置かれています。この任梟盧も、草森さんの愛してやまぬ李賀の白玉楼をイメージしたものと思われます。

1977年頃の木造建築ですから、壁や窓の老朽化が激しく、早急のリフォームが必要な状態です。何とかしなければと思いつつ、書庫の整理と蔵書の目録作りに着手致しました。現在は、誘ってくれた高山さんと二人だけの作業を週に一回ほど、ノートパソコンを持ち込んで、楽しく草森ワールドを散策しています。

そんな仕事の状況報告と蔵書の紹介により、草森紳一研究と書庫保存の一助となれば幸甚と思い、このブログ開設を思いたちました。

もとより、浅学菲才、半知半解の徒ゆえ、思い違い、見当違い、未知に不明、独善かつ偏見等多々あると思います。お気づきの際は、お気軽にコメントしていただけるとありがたいです。

(任梟盧の本たち、草森さんの愛した李賀の一節の書、愛飲したピースの缶等)

随筆「散歩で三歩」―コンパクトカメラの新冒険

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