8月13日
約束の10時に任梟盧に行くと、英二さんと高山さんが何やら玄関でもめている。どうしたのかな、と行ってみると、鍵が開かないという。ギザギザを合わせる普通のカギではなく、平板に窪みのある珍しい鍵なのだが、いくら回しても開こうとしない。前回まではやや固いかなと感じたが、開かないということはなかった、と、英二さん。英二さんは任梟盧の鍵を管理している。
私が回してみても、やはり同じだ。無理をすれば、壊れてしまうだろう。草森さんが帰ってきてロックしているのではないか、などと冗談を言いながら、やむを得ない、奥の手を使うことにした。少し高いところだが、裏の東側に小さい窓がある。英二さんに脚立を持ってきてもらい、それを二人に抑えてもらって上り、幸い鍵のかかっていなかった窓をこじ開けて、よじ登ってなんとか侵入に成功した。誰かに見られていたら、さぞ不審に思われただろうなあ。
内側から開けるといとも簡単に玄関ドアが開いた。どうやら、鍵のメカニズムが、鈍くなっているらしい。高山さんと近くの雑貨店で、ステンレスの鍵を物色し、取り付け、とりあえず一件落着。
今日は日曜日で、勝毎花火大会の日でもあるが、そんな鍵騒動で1時間ほど遅れてしまった。いつもなら、昼には止めるのだが、今日は高山さんと一緒に、昼食を隣の「散歩道」という軽食喫茶でとる。少し辛いけどと言って、薦められたジャンバラヤというピラフのような料理を食べた。「ジャンバラヤとは懐かしいなあ」、と言ったら、「あら前にも来られました?」と勘違いされた。若いころ、帯広のフルハウスというカントリー酒場で、住吉さんという方の演奏で聴いたハンク・ウィリアムスのカントリー音楽を思い出したのだが、実はこの音楽のタイトルは、このジャンバラヤという料理のことだということを、初めて知ったような気がする。、気がするというのは忘れてしまっていた気もするからである。ちなみにジャンバラヤとは、混ぜ物料理ということらしい。
- アーティスト: ハンク・ウィリアムス
- 出版社/メーカー: USMジャパン
- 発売日: 2009/05/06
- メディア: CD
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
できるだけ現状のままに保存する、が我々の目標である。一冊たりとも紛失したり並びを変えてはいけない。これは、任梟盧の蔵書空間が、有機的な新たな草森ワールドを形成していると考えられるからである。もし並び替えてしまえるなら、同じ本を使って草森紳一ではなく植草甚一の世界を表出させることだってできるのだ。
- 作者: 植草甚一
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2009/08
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (3件) を見る