草の森大冒険

ナンセンスの大家、草森紳一の書庫「任梟盧」を冒険します。

子供の冒険心にはカナワナイ!!

任梟盧の月一の一般公開が始まって2回目が無事終わる。

先月も子供連れの家族が、といっても小学生くらいだが、見学に来てくれたが、

今月は入学前の幼児を連れた家族も2組ほど来てくれた。

螺旋階段を怖がる大人も多いのだが、子供たちには格好の遊び場らしい。

子供には、ジャングルジムのような何かの新しい遊具になってしまうようだ。

3歳くらいの子供が、一人で階段を何度も上り下りしたがるのである。

親が手を貸そうとしても、はねのけて受け付けない。正に強情そのものである。

無理に抱え込んで抱き上げると泣き出してしまった。

子供には高所恐怖心というものがないということが分かる。

 

もちろん、いずれどこかで痛い目に遭って、危険を回避する術を学んでいくのだろうが、それがここであってはまずいわけだから、もう一方の冒険子である我々は、その子から目を離せず観察することになる。

怖さとは子供にとって、遊びの要素の一つであるようだし、ちょっと危なげなところほど、すぐ遊び場にしてしまうという自由な才能は天才的といってよい。遊びとは冒険のことでもあるのだろう。

仕方がないこととはいえ、こういう才能が成長するにつれて、失われていってしまうのは寂しいものだ。現代の小学生は、どれほどの遊び心を秘めているだろうか。しぼんでいないことを祈りたい。

ともあれ、任梟盧が子供の遊び場になるなんて、草森さんは狂喜していることだろうと思う。

 

この日の見学者も20名ほどであった。

中には、イスに座ってじっくり草森本を読んでいる人もいた。

冒険子は案内役でもあるので、草森さんが横尾忠則氏の装幀で作った「江戸のデザイン」と幕末の著名人たちを写した大部の上野彦馬の写真集を中心に説明している。上野は例の坂本龍馬の写真や高杉晋作、軍医総監を務めた松本良順なども撮っていて、この人は陸別開拓の医師、関寛斎と同門でもあり、十勝の人には身近に感じられるからでもある。

 

2022年10月9日任梟盧見学状況